集成材一式

集成材一式〔しゅうせいざい〕

注文建築用材として注目を集める、経験と科学から生まれた新しい加工木材。

 

【集成材とは】

原点は1000年前の彫刻技法 ―その歴史―

集成材が初めて登場したのは、20世紀の初頭、ドイツにおいてでした。駅舎や体育館、工場倉庫などに広く普及して、ヨーロッパ一円に広がり、アメリカやカナダなどにも集成材による建築物が波及しました。しかし、日本ではそれよりずっと以前、すでに10世紀に仏像の彫刻制作で寄木造りという、現在の集成材の先駆けとなる技法が誕生していました。これは2個以上の木材を継ぎ合わせて、1本作りの仏像ではどうしても避けられない干割れを防ぐための工夫でした。
下って18世紀、東大寺大仏殿の再興の祈りには(1709)、柱の部分に材を寄せ集めてニカワで接着し、鉄の銅輪で締め付けて、大口径材でつくりあげています。ここにわが国の集成材の歴史が本格的に始まりました。今、東大寺大仏殿の柱には、300年近い風雪や地震などに耐えて狂いのない姿で立っています。集成された木の耐久力は、何よりもこの事実が雄弁に語っているといえるでしょう。

注文用建築に最適素材 ―その秘密―

造作用集成材では気乾状態といわれる含水率14~15%よりもやや低い11~14%という数字に設定されているため、冷暖房室内にあってもほとんど狂いが生じません。これは現代の家屋構造の建築素材として最適であることを物語るものということがいえます。耐久性や強度以外のこのようなメリットも、集成材ならでわのものということができます。
特に造作用集成材には、注文建築に幅広く利用できるように、さまざまな部材が揃っており、施工空間、用途に応じて最適の建築素材を選定することができます。

当社では、造作用集成材に関して充実したラインアップで皆様のニーズにお答えするべく独自の加工で現場のご要望にこたえる製品構成を行っています。

 

【集成材4つの個性】

 

構造用

集成材1級

耐力部材(構造用)

●構造用集成材1級
農林水産省告示に基づく特殊な材料強度が認められた集成材で、主に構造物の耐力部材として用いられる。柱、梁、通し柱、湾曲アーチ、竜骨、コンテナの床板を始め、大架講の教会や体育館など様々な用途の構造材として使われる。接着剤はレゾシノール樹脂又は、イソシアネート系樹脂を使用。

化粧貼構造用集成材

●化粧貼構造用集成材
芯材には構造用集成材を使用し、表面に美観を目的として化粧銘木単板を貼ったもの。木造建築物の柱、通し柱、間柱、半柱などのような荷重を支える耐力部材であり、かつ表面が露出しているようなところに使用する。接着剤はレゾシノール樹脂又は、イソシアネート系樹脂を使用。

 

非耐力部材(造作用)

●化粧貼造作用集成材
こちらは内装用につかえるように、表面に化粧銘木単板を貼った内部造作用。長押、敷居、鴨居、周り縁、落とし掛け、上り框、階段の手摺、踏板、笠木、カウンター、床板、床縁などに使用する。形状や寸法の異なった製品は特別注文にも応ずる。

 

集成材4つの個性 ―JAS規格と種類―

集成材には4つの種類があります。
構造用には、主に構造物の耐力部材として用いられるもの(構造用集成材1級)と、心材に集成材を使用し、表面に美観を目的に化粧銘木板を貼ったもの(化粧貼構造用集成材)があります。一方、造作用には、小角材の集成、挽板の積層、芯材、壁財、パネルの心材など、多彩な用途に利用できるもの(造作用集成材)と、内装用にも使えるように表面に化粧銘木板を貼り、長押、敷居、鴨居、落し掛け、床板、カウンターなどの内部造作用に使用するもの(化粧貼造作用集成材)があります。これらは農林水産省告示に基づくラベル表示があるので、容易に判断することができます。

 

「大断面」というニーズ ―開発の背景―

大断面集成材は一定の厚みに挽いた挽板を、レゾシノール樹脂又はイソシアネート樹脂の強力な接着剤で張り合わせ、多層化したものです。この接着剤は温度・湿度の過酷な変化に耐え、強力な接着性能と耐久力を備えています。こうした集成材開発の背景には、1本のムクの木からでは大断面が取りにくいという事情があります。普通、大断面、長尺といった用材ニーズには樹齢が300年~500年の大木でないと応じることができません。ところが、適当な大きさの材を重ね、合わせていけばそうしたニーズにも対応できることになります。現実に、曲げ加工された大断面の集成材が大規模な建築物を中心に活用され、大架講の教会や、体育館橋梁など、様々な用途の構造材として使われています。

 

【集成材製造工程】

a-1:天然乾燥

a-2:人口乾燥装置

a-3:含水検査

a-4:二面プレナーにかけ寸法を統一

a-5:かんながけです

a-6:組み合わせを作る

a-7:接着剤塗布

a-8:コールドプレスで圧締硬化!

a-9:接着検査

a-10:コアー材仕上げでOK!

a-11:スプレダー。化粧板と芯材にのりつけする

a-12:最新機械のホットプレスで圧締硬化

a-13:芯材と化粧板はここで一緒になります

a-14:自動耳取機で二面ばりの耳を取る

a-15:自動四面かんな盤。最新の設備で仕上げは万全です

a-16:最新の検査と選別

a-17:包装機にかけ出来上がりです

 

b-1:スライサー作業

b-2:含水検査 化粧板も芯材も湿度の10%以下迄乾燥させます。

b-3:裏(のりつけ面)にプレナーをかける

b-4:点検と木目あわせ

b-5:大切な木目合わせはベテランの仕事

b-6:カスリキズでも不合格

 
Chie Andersen